トランプの奇術師 ♣️

マジックの雑談、日頃感じた事など

ひらめきはある

学生にないイリュージョンをやろう、と、3回生の時、ペアを組む相棒と打ち立てました。。ジークフリード&ロイ、マーク・ウィルソン、そして、デビッド・カパーフィールドを憧れて本気で目指したのです。。

 

まず、何を演じるか、シナリオを作り。。出来る所から製作に取り掛かりました。。

 

最初にシャドーボックスという、電球を箱に突っ込んだら人の影が現れて、本当に人が出てくる道具を作ったのですが、との粉まで塗って時間を消費してしまいました。。ガラスの通り抜けは、大きなエンビ板が残っていたので、それを使って急ぎ製作。。さらに、人が横たわる台を2つ作り、演出にも使う大きなカード3枚と、もう作れるだけ作りました。。ついでに、ダンシング・シルクも最初にちょっとやろうと追加して。。

 

ただ、問題は、どうやって浮いた人を消すか、これが分かりませんでした。。マジックでは、出現よりも消失の方が一般的に難しい事はなんとなく分かってはいましたが。。これが出来ないと、全てのシナリオが成立せず、長い間悩みました。。そのため、発表会前の強化合宿でも通し演技はできず、出演を疑問視されていました。。

 

忘れもしない阪急電車に揺られ、もう間に合わないのかな、と思っていた所。。あれを応用してはどうだろうか、とマジックとは何の関係もないモノが頭の中に浮かびました。。急いでアイデアを伝えて、試作を開始し、学外当日も朝から会場で調整と道具のペンキ塗りを行い、本番直前になんとか完成しました。。

 

初めての通しとなった本番演技は、僕の凡ミス以外はまあまあ良く、最後のクライマックスも決まり。。苦労してやった甲斐があって、4大学で結成していた関西学生奇術連盟からイリュージョン賞を頂き。。その後、見て頂いた方からテレビ出演が舞い込みました。。

 

もうこんな苦しみから生まれたひらめきとは、二度と出会えないのかも、と思っています。。

 

End