トランプの奇術師 ♣️

マジックの雑談、日頃感じた事など

器用でも不器用でも

マジックは、器用でないとできないのですか?、とか、器用な方がいいのすか?、と、聞かれることがたまにありますが。。器用な方がいいのかもしれないのですが、そうでなくても大丈夫と思っています。。

 

自分自身は、手先が器用かどうか、と考えると、不器用ではないが、器用でもない、どちらかというとぎりぎり器用な方かなぁ、と思っています。。本当に器用な方は、へー、そんな事ができるの、というレベルになって、極端なものでは、その人しか出来ない、という領域になります。。ピアノのリストの曲は弾けない、とか聞きますが。。マジックでは、手の大きさというよりも、筋肉とか関節でしょうか?

 

器用だからそのマジックがお客様に受け入れられるか、ウケるか、人気がでるか、というと、そうでもなさそうで。。これは、技術的に優れた製品だから、売れるとは限らない、という事に近いのかもしれません。。マジックは、腕前を見せるものではなく、総合的にあるいは何か自分の特徴を魅せるものなんだろうな、と思っています。。

 

でも、今までに見たことがない、とか、そういう本当の独創性まで発揮できると、それは独特なのでいいとは思いますが。。製品でも、業界を牽引する本当に他社を凌駕するようなものであれば。。

 

さて、器用とは、手先だけでなく、頭脳の器用さもあるのではないか、と思っています。。これについては、自分は不器用だろう、と。。まず、理解出来ないもの、正解が決まらないものは、どうも苦手で。。といって、正解が決まる感じの数学は得意だったかというと、そうではなく。。

 

それと、その場で即答する事は苦手で、マジックでも即興はどうもだめで、ちょっと考えないとまとまらないタイプかもしれません。。でも、じっくり考えていると何か出てくるか、というと、そうでもなく、誰かとお話をしていると、それがいいかも、という事が往々にしてあるように思います。。

 

数学に少し脱線しますと、制御工学でラプラス変換というのがあるのですが、これを使うと微分方程式が瞬く間に解けるのです。。微分方程式とは、例えば自然現象の動きを理想的に式にしたもので、これは将来こうなる、と解けて決まるもので。。制御では、この微分方程式をフィードバックで変形させて、挙動を変えます。。

 

ラプラス変換は、フーリエ変換から来ていて。。フーリエ変換は、地デジや WiFi の伝送にも使われています。。まあ、人間の英知とは素晴らしい、こんなところにも使うのか、という印象で。。ジョゼフ・フーリエさんも凄いのですが、これを活用した方も頭脳が器用なのに違いありません。。

 

もう少し身近なものでは、大学の講義で燃焼工学をとって、当時の排ガス規制をクリアしたCVCCエンジンを開発された先生に学んだ事があるのですが。。制御では偏微分は普通使わないので、まあ、すらすらと黒板で操られて、はぁー、と。。ロータリーエンジンは何が難しいのか、とか、そんなお話は面白かったのですが。。

 

論理力に優れるドイツ、変な数学をするインド、ハンガリー辺りの中欧も数学が強い、とか聞きますので、海外の思考回路がどういうものか知りたい、と思っているのですが、どうすればいいのか、とりあえず本を読んで探ってみるくらいしか思いつきません。。本は、傍目から書いてあって、ある程度の推測は出来ても、それを操る方に聞かないと本当のところは分からないのではないか、とも思っています。。聞いても分からないのかもしれません。。

 

フーリエさんも、どうして0と1だけのモールス信号みたいな矩形波が、アナログなサインカーブの合成で表される、と思ったのでしょうか。。そう思われたのかどうかも、わからないのですが。。思ったとしても、それを数式にしたのも凄く、基礎力や応用力もあって、アイデア力もあったのでしょうが、そんな簡単には言えないとも思います。。天才、の一言で片づけるのではなく、そこに少しでも迫ってみたい、何か感じたい、のです。。

 

学生の時も、人の後ろでプログラミングをさりげなくボヤっと見ただけで、こうした方がいいんじゃないか、とか。。ちょっと複雑そうな電子回路をパッと見て、これはここにコンデンサを入れた方がいいとか、その分野の考え方と思考回路がピッタリみたいな方は、いるのです。。

 

マジックも練習だけでなく、考えないと発展しないので、頭脳を少し器用にしていきたいところです。。そういえば、学生の時、創造性の開発、という講義も受けたのですが。。何か思いつかないかなぁ。。

 

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