トランプの奇術師 ♣️

マジックの雑談、日頃感じた事など

ホワイトボックスのすすめ

大学では、機械工学の制御工学というものに取り組んでいた事になっているのですが、実は社会に出てからは、そんなニュートン力学で自然科学の現象を考えるなど、接する事がなく。。でも、近頃、大学に顔を出すと、制御研、と言ってもらえるので、少しその後の空白を埋めたいなぁ、と思っていまして。。

 

先日、化学プラントの制御をされていた、学生時代は机を並べていた先輩にお聞きしましたところ。。制御対象のプラントを大きく揺らす同定試験などは出来ないでしょうから、どうするのかと思っていたところ。。あぁ、そうなんだ、と少し納得出来まして、まあ、昔学んだ知識でも大枠なら分かるかも、といったところです。。

 

学生の頃は、現代制御理論というのが出てきた時代でして、これは制御対象をこと細かく数式モデル化しよう、というアプローチで、ホワイトボックスモデルと言われます。。それに対して、それまでの古典制御理論はブラックボックスモデルで、内部構造は分からなくても、こういう入力を与えればこういう出力をする、ということで制御対象を外から見てモデル化していきます。。

 

ただし、現実的には、どちらのアプローチでもあんまり変わらないのではないか、と、思っていまして。。というのは、可制御可観測、あるいは、不可制御不可観測という考え方があるのですが、これは、どこを計測できて、どこを触れるか動かせるか、という事なのですが。。だいたい、センサーで測定できる所は決ってきて、触れるところのアクチュエータは限定される、と思うからです。。理論的には少し違っても、チューニングしていくと、現実的には、そうは変わらないのではないか、とも思っています。。

 

しかし、このホワイトかブラックか、という概念は、色んな面で重要と思っていまして。。例えば、工場などで何か改善をしようとすると、これは当然ホワイトボックスの方がいいのです。。何故?と真因を特定していく様な事は、まさに、ホワイトボックス化の思考に違いありません。。

 

しかしながら、このホワイトボックス化のアプローチができる環境であればいいのですが、多分、世の中は全てそうではなく、もうどうなっているのか訳がわからない状況や、人の頭やプログラムに入っていて何も言ってくれないとか、ほっておくと、だんだんと、ブラックボックスの方が当たり前になってくるのだと思ってきています。。無秩序化へ進む、エントロピー増大の法則なのかもしれません。。

 

最近は、監査、監査とよく言われる様ですが、そんな監査なんかしなくても、日頃からやり方をきちんと決めて、標準を作って、きっちりやれば全然問題ないのではないか、と思っていました。。ところが、実は、それだけでは、どうも不足するみたいです。。

 

というのも、元々設計で最近品質管理をされている友人と話をしていると、海外工場では海外の部品も使うので。。これも、なるほど、と思って。。どうも、ホワイトボックスを強要するのは大変で時間がかかりそうです。。そこで、とりあえず、ブラックボックスの状態で何とかして、その間にホワイトボックス化を進めるのだろうか、とか、なんとなく思ったりしています。。それと、みんな金太郎飴ではない、でしょう。。

 

さて、当時は、現代制御と並行して、制御対象の数式モデルを内蔵する適応制御とかもありましたが、その後は、ロバスト制御とか外乱対応を重視する理論が出て来て、その発展からH∞制御とかある様でして。。ゆらぎとかやや曖昧なファジーは、学生の頃は未だなく、あいまい理論という確率を使う制御理論がありましたが、それとは少し違う趣きですね。。

 

先日、近くの大学の図書館に久しぶりに行ってみたのですが、以前は、もう少し制御工学の本もあった様に思うのですが、あんまりなくて、制御はあまり流行りではないのでしょうか。。学部の図書館には入れないので、そちらにあるのかもしれません。。母校の図書館にも、機会があれば覗いてみようと思っています。。

 

大学の図書館は、色んな分野がざっと整理されて並んでいるので、何かしら、と、雑学してみるのにはいい環境ではないかと思っています。。制御については、理論よりも、現実での適用方法や手法の方を知りたいのですが。。

 

End