トランプの奇術師 ♣️

マジックの雑談、日頃感じた事など

考えを共有する

最近はお酒が弱いので少し控え気味ですが、若い時、サーキットコースを走る富山出身の友人が好きであちこち出かけました。。スマホなどない時代だったので、見つけにくいお店は味がいい、というジンクスが出来上がりましたが。。大阪の実家に来てくれた時は、行きたい店があると北新地でマティーニ、ミナミでマンハッタンが絶品という店を回って、最後に行ったのが今もあるバーで。。

 

実にカジュアルなお店で、少し多く作ってオマケが付いてくるバーでした。。シェーカーやマドラーなどの道具が手の届く位置に綺麗に配置されていて 5S はバッチリ、サクサクっと作ってパッと出てきます。。それからの方が必見で、道具や果実の後片付けがチャチャッと素早くムダなく、所定の位置に戻っていきます。。決まった方法が身に付いてしまっているのか、慣れたマジシャンの如く鮮やかでした。。

 

元々、品質管理は、PDCA のデミングサイクルで有名なデミング博士が、1950年(昭和34年)に来日され、そこから学んで開始された様で。。QCサークル活動という言葉は、1960年代前半に生まれています。。

 

QC の最大のポイントは、重点指向と思っています。。細かい枝葉の事は言わずに、これ、という幹となることをやろう、対策しよう、ということで。。これは、早く、手間をかけずにそこそこの成果を得よう、ということにつながります。。時は金なり、で。。

 

ちなみに、不具合の要因を見つけるひとつの方法が、何故、と問うことみたいですが。。時間をかけて紙にごちゃごちゃ書いたりするよりも、頭の中で考え、言い合ったりして、早く、これかな、と到達することの方が現実的には有用と思っています。。何故何故何故は、一種の連想ゲームで実は簡単な思考方法なのだと思います。。

 

以前、寸法精度が不安定なことがありまして。。何故とやったかどうかわかりませんが、どうも素材のバラツキではないか、と思ったのです。。一倉定さんがおられた旋盤メーカーの設計の方に来てもらったらやっぱりそうみたいで、クッションとしてフローティング機構を使おう、と言われまして。。最初からそれを使えばいいのに、と少し思いながら、まあアイデアが出てホッとしたのですが。。カムシャフトのワークをガッチリ固定するのではなく、その時の素材や前工程で加工した形に合わせて少し柔軟に機械側が動こう、ということで。。

 

4M の思考ですと、Material に、Machine が合わせる Method を採用で、Man は今回は関係ありませんでした。。加工ラインでは、Manは機種変更時の段取替えくらいで、あまり出てこないのです、組付ラインとは少し趣が違い。。

 

さて、QC で、次に重要なのは、ストーリーと手法だと思っています。。もう、とりあえず、こうやりなさい、という筋書きでやれば、結果に近づくので。。そのために、QC七つ道具と新七つ道具から、適当なものを、正確には適切なものを使いなさい、と。。これは、簡単化・単純化で、テンプレートに沿ってやればヨシです。。手順や手法を独自で考え展開する、みたいなことはあまり望まれてはおらず。。

 

ちょっと格好良くまとめようとしたら、3つくらい手法を使うといいかもしれません。。みんな、パレート図と魚の骨は使うので、もうひとつ入れておけば、という感じでやっていましたが、最近はどうなんでしょうか。。

 

まあ、マジックでも、基本技法はみんな使うので、ちょっと凝った技を入れておけば、知ってる方にも少し魅せれる、みたいなもんでしょうか。。技は、使い熟せた方が演技の幅が広がっていいでしょう。。

 

学会発表ではなく、独自のプレゼンテーションでもありませんので、決まった手順での発表がいいみたいです。。決まったストーリーですと、聞いていても次が予測できて、そうか、と初見でもだいたい把握できるのです。。簡単で、情報共有しやすいことが、全員参画に繋がっていきます。。

 

あと、小集団活動、ということも大事なのかもしれません。。数名で知恵を絞る、ということで、あまり多いとまとまりませんし。。

 

さて、みんな代替わりして途絶えていく中で、あの QC に通じていたバーはどうなっているのでしょうか。。マジックも同様ですが、匠の技の継承は難しいのでしょうか。。ちなみに、何度か行った名古屋の錦三のバーは検索すると、無くなっていました。。

 

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